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スマホじゃないケータイでもSkypeが使える BREW版「Skype au」を試す(後編)

KDDIがau端末向けに提供している「Skype au」は、サービス開始当初はAndroidスマートフォンでの利用を想定していたもの。
しかし2011年夏にはBREW版のアプリも登場し、auのフィーチャーフォンでも利用できるようになった。
後編では、具体的な使い勝手やほかのプラットフォーム用Skypeとの違いについて検証してみたい。


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Skype auを起動させた「CA007」(NECカシオ)と「T008」(富士通東芝製)





【バックグラウンドで利用できる?】
PCでSkypeを利用する場合、基本的にバックグラウンドで待機させておくことが多い。
通話やインスタントメッセージ(IM)を送受信するとき以外は、Skypeのウィンドウはあまり意識しない。
この点はAndroid版とiOS版のSkypeでも同様で、バッテリーの心配はあるものの、バックグラウンドでSkypeをオンラインにしておける。

しかし、フィーチャーフォン向けのBREW版Skype auではこれができない。
アプリを起動したらSkypeの画面に切り替わり、Skypeを起動したままではケータイの待受画面には戻らない。
アプリを起動するとケータイの画面はSkype専用になってしまうわけで、これは今までのSkypeユーザーが一番違和感を覚える点だろう。


ただし、Skypeを起動していても通話中でなければ携帯電話として着信でき、ケータイの通話が終わるとSkypeの画面に戻る。
メールを受信した場合は、メール画面に移行して受信メールの確認や返信メールの作成ができる。
メール画面を終了させるとSkypeに戻るのは、通話と同じ挙動だ。


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「CA007」のセルフメニューボタン(写真=左)とセルフメニュー(写真=右)




これに加えて、Skypeを起動したまま端末のほかの機能を呼び出すことも可能だ。
Skype auに対応する2011年夏モデル以降のauケータイは、マルチタスク機能を呼び出す「セルフメニュー」ボタンを備えている。
Skype起動中でもセルフメニューからカメラやツール、ほかのアプリを起動させられる。
ただ、セルフメニューが開けるのはSkypeが待機中の場合のみ。
Skypeで通話している場合には、マルチタスクで別の機能やアプリを起動させることはできない。





【マルチログインやマルチアカウントの利用は?】
Skypeは複数のデバイスで同じアカウント(Skype名)を使った同時にサインイン(ログイン)が可能で、これはBREW版Skype auでも変わらない。
PCやスマートフォンでSkypeを起動しつつ、フィーチャーフォンでも同じアカウントでログインきる。

ちなみに、1つのアカウントで複数デバイスにログインしているとき、Skype通話がかかってきたりIMが送られてくると、それぞれのデバイスで着信や受信通知が表示される。
まったく同時に表示されることもあるが、それぞれの処理能力や通信状態によって表示に時間差が出ることがほとんど。BREW版のSkype auに対応する「CA007」(NECカシオ製)と「T008」(富士通東芝製)で試してみたが、PCやスマホのSkypeと比べて遅めになることが多かった。


またBREW版Skype auが記憶できるSkype名は1つのみで、複数のアカウントを使い回す場合はその都度手入力が必要だ。
普段使うSkype名が1つの場合、自動ログイン機能を使うと1度の操作でアプリの起動からログインまでが行われる。

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アプリが記憶するSkype名は1つだけなので、複数のアカウントを使い分ける場合はその都度入力が必要。





【端末を閉じていてもSkypeの着信はできる?】
折りたたみ端末の場合、ディスプレイを閉じてもSkypeアプリは終了せず、サインイン状態が続く。
閉じたままでもSkype通話の着信ができ、サブディスプレイがある場合はかけてきたSkype名を表示する。
ただ、まれに発信元が「0000」番と表示されることもあり、誰がSkypeで話しかけてきたのか分からない場合もあった。

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Skype auを起動したまま端末を閉じてもサインインしたままで、(Skypeの)通話も着信する。







0000番とは、Skype auの通話を着信した場合に表示される発信元番号。
レビューの前編でも触れたが、Skype auの通話はVoIPでありながらauのパケット回線ではなく音声回線が使われている。
そのためSkype auで通話を着信すると、端末の着信履歴には0000番から電話がかかってきたことが記録される。
逆にSkype auで通話を発信すると、発信履歴には「#40880」番が残る。
端末の発着信履歴から2つの番号に電話をかけても、「利用できない番号」という旨のアナウンスが流れるだけだ。

ちなみに、サインアウト中にSkype通話の着信があっても、端末の着信履歴やSkype auのアプリには記録が残らない。
Skype側で留守番電話サービスを使うには、有料のボイスメールサービスを利用する必要がある。


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Skype auで通話を利用すると、端末の発着信履歴に「0000」(着信)と「#40880」(発信)が残る。







【Skypeで通話中にIMを送受信できる?】
Skypeの魅力の1つに、通話しながらIMを使って文章で連絡を取り合える点がある。
しかしフューチャーフォン向けSkype auではこれができない。

というのも、Skype auの通話は音声回線を使い、ステータスの確認やIMなどの諸情報はパケット通信を介して行われる。
しかしKDDIのau回線では音声とパケットの同時利用ができないため、Skype通話中にIMは受信できない(auスマートフォンでWi-Fiに接続している場合は可能)。


また、IMで送受信されるテキストはコピー&ペーストができず、返信時の引用もできない。
気になるWebサイトのURLを送ってもリンクされないので、ただテキストを表示するだけになる。
またIMの履歴(送受信したログ)も、サインアウトすると非表示になってしまう。
ただ、ほかのSkypeユーザーからIMを受信した場合、そのユーザーとの直近の履歴が表示される。


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 IMは最低限の機能しかない。



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Skype内で使われる絵文字も、線のみの記号に変換される。






このように、IMの利用もPCやスマートフォンのような感覚では使えないので、ちょっと注意が必要だ。





      
【複数の人とSkypeで会話できる?】

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複数メンバーとIMするには招待してもらう必要がある


制限付きだが、複数のSkypeユーザーと会議のように通話することやIMでチャットのように会話ができる。というのも、フィーチャーフォン用のSkype auからは1人にしか通話を発信したり、IMを送信できない。複数ユーザーと会議のように通話したり、IMでチャットするには、PCやスマートフォンを使うSkypeユーザーから招待してもらう必要がある。






【Skypeで通話中に携帯電話は着信する? キャリアメールが送信されたら?】

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Skype通話中のケータイ着信には、「割込通話」が働く




Skype auで通話している際にケータイ回線で音声着信があった場合は、auの「割込通話」サービスが働く。
割込通話はauのオプションサービスだが、WIN端末なら無料で初期設定されているので、Skype au対応のフィーチャーフォンでもスマートフォンでも同じ挙動になる。


割込通話は、通話中に2本目の通話が着信すると“ツーツー”という信号音が鳴り、もう1本電話がかかってきたことを知らせる仕組み。
その状態で発話ボタンを押すと、後からかかってきたほう(2本目)と回線がつながる。
その間、先の通話(1本目)は保留状態(プルプルツーツーという音)になって電話を待ってもらうことになる。
2本目をかけた人が終話すると、1本目との通話に戻る。自分から終話すると、すべての通話が切れてしまうので注意したい。


先の通話を優先する(2本目には出ない)場合は、そのまま無視すればよい。
一定時間がたつと、2本目の通話はauの留守番電話サービスに接続する。


キャリアメールについては、SkypeのIMと同様にパケット通信を使うため、Skypeの通話中には受信しない。
会話が終了してから受信することになる。






【スピーカーフォンやハンズフリー通話は可能?】
携帯電話の通話はもちろん、Skype auの音声通話もスピーカーフォンに出力できる。
また、Bluetoothのヘッドセットを接続して、ハンズフリーでSkypeの通話をすることもできた。








繰り返しになるが、さまざまなプラットフォームに対応しているSkypeのなかでも、KDDIが提供するSkype auはちょっと異色の存在。
特に、フューチャーフォン向けのBREW版は、今回紹介したように使い勝手がPCやスマートフォンのそれとはかなり異なる。


前編 でも取り上げたが、料金的にもパケット定額プランが必須など、“無料通話”の恩恵を受けるにはある程度のコストが必要だ。
良くも悪くも使う人をかなり選ぶサービスと言えるが、PCなどでSkypeを使ったやり取りが多く、まだまだフューチャーフォンを使い続けるユーザーには、auのケータイでSkypeが使えることをぜひ覚えておいてほしい。




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by gcinc | 2012-01-25 11:42
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